イタリアの伊達男と日本のボクっ娘

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「あっ・・・えっと・・・」 葵の顔が徐々に赤くなる。 「・・・冗談だよ。ただ、そうだな・・・手を握っててくれ」 失言の後だからだろうか、そんな ことで良いのかな?と思いながらもすぐに手を握った。 「これで良いの?」 「ああ、ありがとう。離さないでくれよ。それと・・・」 「借りたものは返さなきゃいけないよな?さ、ペイバックタイムだ」 その言葉を合図に葵の指先に電流に似た痺れが走った。 「ひゃうっ!?んんっ!くぅ・・・!」 葵はつないだ手を離そうと思ったが上手く力が入らない。そうしているうちに痺れは大きくなり、全身に広がって、パタリと倒れしまった。 一方、ベネデットは何事もなかったかのようにむくりと起き上がって、葵のそばに座り込んだ。どこか勝ち誇った表情をしている。 これもベネデットの能力。 ベネデットの能力は吸収するだけでなく、放出することも可能なのである。方法は吸収とほとんど同じだ。 今回ベネデットは体内の麻痺をつないだ手から葵に送り込んだのだ。
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