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「この世界か・・・この世界ってどこにあるんだろうねぇ?異世界って言ってたけど、宇宙のどっかの惑星だったりして」
「まさかそんな、悪い冗談はやめてくれ」
と葵は言った。言いはしたがあながち冗談でもないと思っていた。
ディスプレイや戦闘のシステムなど、現代の科学力では考えられないSFチックなものが平然と存在している。
魔法や能力に関しては宇宙人に改造でもされたと思えば説明できなくもない。ただ宇宙とか宇宙人と言うのはどこか胡散臭くなってしまうのでそこまで本気では考えようとはしなかった。
「まあどこだっていいさ。葵ちゃんみたいな可愛い子に会えたんだからね」
「なっ!?・・・カワイイ?」
葵は初めてベネデットのほうに顔を向けた。少し赤くなっている。
今まで彼女にカワイイなんて言った人間は家族くらいのものだった。
「なーんてね」
ベネデットは葵の少し赤くなった表情を見て満足げに言った。そして
「でも可愛いってのはウソじゃないよ?」と付け加える。
「~~~!こっこれだからイタリア人はっ!」
そう言って葵は真っ赤になった顔を背けた。
と、同時に気づく。
「ベネデットさん!後ろ!」
いつの間にかゴブリンが4体、ゴブリンA,B,C,Dが後ろから迫ってきていたのだ。
体格は小学生並みだが、それぞれが武器を持っている。
ベネデットはピタリと歩みを止め、ゆっくりと振り向いた。
「今いいところだったのに。邪魔すんなよ」
ベネデットはそう文句を言ったが口元はニヤリと笑っている。
それを合図にしたかのように周囲にバトルフィールドが形成され始めた。
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