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「くっ……、このままじゃ……」
目線の先の二人組は見下すような視線を黒髪の少年に送る。少年はこの屈辱を晴らしたいが、怪我を負っていてまともに立つことさえも困難な状態だ。
周りには、少年同様大きな怪我を負ったのか、腕を抑える者、地面に横たわる者達がいる。皆心配そうな眼差しを向けている。
「おい、そろそろ分かったか?俺らとお前たちじゃ力の差がありすぎるんだよ」
その言葉を言われて、黒髪の少年が怒りに任せて二人に魔法を放つ。
二人組の一人が飛んできた魔法を軽々避け、少年が放った魔法とは比べられない位の魔力が込められた一撃が放れる。
少年は諦めたのか、膝を地面につき誰も聞こえない程の小さな声で呟いた。
「元の力があればな...」
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