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そして本来の力を取り戻し方を探し、圧倒的な力で支配する。自分のことを捨てた親と同じ種である人間に矛先を向けたのだった。
それが、バジランへの戻り方を探すより優先した理由の一つだ。もう一つは、ただ単に好奇心で強い奴が居るかもしれないという期待心。
ミノを殺そうとしたのは、自身の短気が理由で今居る世界を敵に回すには今の力じゃ不可能と把握した。
あの戦闘が本物だったら正直少し危険だった。最初はミノを利用する為に演技をしようと考えたが、危うく意識が飛びそうで内心焦っていた。
そのお陰で自然と白目もする形になったし、腕はハレスの意思でぶらぶらさせていた訳ではない。
この世界で殺しが悪と分かったのは、勘という曖昧なもの。だが、何故か確実と言いきれる自信があった。
「明日からは感情を抑えて普通の人間を演じきるんだ」
そして、誰もいない部屋でそう自分に言い聞かせる。
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