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早朝、レナは二人を送り出す二時間前には目を覚まし、朝食の準備をしていた。
昨日の来客に、表面には出さなかったものの躊躇していた。だが、あの男に何にも関心が無かったミノを惚れさせた存在に興味を持った。
夫はミノがまだ幼い時に死んでいる。ミノとレナに必ず戻ってくると言って。
それからミノは男を信用しなくなったかもしれない。もう同じ思いをしないように興味を持っていないフリをして、自分を守っていたのだ。
三人分の朝食を一通り作り終わり、一息ついていると寝ぼけた顔のミノが顔を現す。
「ん……おはよう」
「ミノおはよう」
ミノは朝には弱いようだ。まだ眠くて活動しない体を無理矢理動かしている。
「ハレスはまだ起きてない?」
「まだじゃない?それかもう地獄に旅立ったんだよ」
「そういうこと言わないの……あっ、ハレスおはよう」
いつからか立っていたハレスに気付きレナが挨拶をする。
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