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翼で羽ばたくこと五分、見渡す限りの魔物と妖怪の群れ。それは、紛れもなく敵の軍だ。
「これは思ってたより、楽しめそうにないな。少しはまともな奴はいねえのか?」
瞬時に力を探知しても、ハレスが認めるまともな奴は何処にもいなかった。
ハレスは迫りくる魔物達に立ち塞がり、即座に手に力を溜めた。
手のひらを開くとともに、力が爆発して辺り一面を炎で覆い尽くす。
少し前までは何万、何十万もいた魔物達が嘘のように跡形も無く消しとんだ。一部の奴は息はあるが虫の息だ。
「つまんねえな、やっぱりつまんね。もっとちゃんとした殺し合いがしたいってのに」
静かになった戦場で、ボソリと呟くと返事が返ってくる。
「なら貴方を退屈させないように、僕のお勧めの場所に案内しよう」
予想外の返事に若干驚きながらも声のした方に顔を向ける。そこには、片目を包帯で巻いた赤い髪の男が立っていた。
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