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「なぁ…キスしていい?」
秀志がまっすぐ私を見ながら言った。
公園には私と秀志だけで、子供も大人も誰もいなかった。
秀志を見つめる。
ゆっくり顔が近づいてきて、私は動けずにいた。
「ばーか、外じゃダメに決まってんだろ?なんでよけないんだよ。」
秀志が私の頬を軽く叩いた。
ホッとしたような、残念なような、少しもどかしい気持ちになる。
「なに物欲しそうな顔してんの?」
「してないから。」
立ち上がってサッカーボールを蹴ってみた。
広い方に転がって行って、グランドの真ん中で止まった。
「私の家くる?誰もいないけど。」
それは言ったのはほぼ無意識で、秀志も私も少しの間固まっていた。
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