チョコレート

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むくっ!と起き上がる。 睡眠を妨害されたことによる怒りは、不思議と沸かなかった。 驚きのあまり、頭は真っ白。 遅れて痛みがやってきた。 「…えっ…痛…?!」 バカみたいな反応をしながら後ろを見ると、教室の後ろで野球をしていた男子達が、ほうきやら、雑巾やら、スーパーボールやらを持ったまま、バカみたに笑い転げてる。 どうやら私の背中に当たったのは、スーパーボールらしい。 …ああ、私も、男子も…なんだかお互いバカっぽい。 と、私は思った。 「ぶっ…!はは…!ごめ…!奥村…!まさかお前にあたるとは…!」 笹谷くんが、言った。 「つーか…奥村反応おせーよー!」 森くんが、言った。 「…や、うん…。…野球…?」」 目が醒め切らないまま、どうでもいいことを私は尋ねる。 野球なんて、誰が見てもわかる。 ほうき、雑巾、特大サイズのスーパーボール。 誰がどう見ても、『室内野球』だ。
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