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洞窟内は酷く寒く、じめじめと不快な湿気が漂う。これまでに贄として差し出された女や子供の遺体が朽ち、骨となって転がっていた。
きっと、ここで待っていれば誰かが迎えに来てくれると信じたのだろう。或いは、何とか外に出ようと試みたのか。
唯一の出入り口は塞がれていた。
女は奥に進むことにした。
確かに、これまで生贄を捧げると、不思議と次第に村の悪状況は緩和された。それを聞いた女はその話を信じたのだ。
女に与えられたのは数日分の食糧と、数本の蝋燭、それに火打ち石のみであった。
心許ない細い火で灯りを取り、そろそろと洞窟の奥へ進んだ。その先に何かがあると、ただ信じた。世話になった村を救いたいと、心から思った。
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