第二章

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研究所を破壊、その騒動に紛れて脱出した俺は直ぐに自身に認識妨害の魔法をかけ、森の上空を飛ぶ 魔力が解き放たれた影響で翼の傷は完治し、久しぶりの飛行には心が踊るが、その目下の景色には心が痛んだ 「かなり森が減ってるな。開拓されたか、潰されたか……なぜ人間はこうも自分勝手なんだ」 樹木の中には魔力を元から有している物もある。それから切り出した木材によって杖やワンドを作れば、それは魔力増幅武器となる しかし魔力樹は森の空気を浄化するという重要な役割を担っているため、それを根こそぎ刈り取るということはつまり森の死を意味する。まったく笑えた話ではない 「聖域は焼かれた……だが、まだ種は生きていた筈。ともかく急がねぇと」 聖域の現在の状況は荒地だろう。だが人間が焼き払ったのはあくまで俺達の集落。つまり地表面だ 長年に渡って成長を続ける魔力樹の地中の根、種は純粋な魔力さえ配給すればまだ生き返る可能性がある それを思うと羽ばたく力は強く、飛ぶ速度は更に加速していった
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