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博之を連れて来たのは失敗だったかもしれない。
雰囲気も何もぶち壊しだ。
誰も怖がる役がいなければ淡々と進んでしまう展開となってしまうが、それでも限度があるだろう。
美咲と龍也は何度か一緒に来たことはあったが、博之とは初めて。
珍しくサークルに顔を出したところを人数合わせに誘ったのだが、こんなことなら二人にすれば良かったと今になって後悔する。
「あ」
博之の声に、本当は少し驚いた美咲だったが、それを隠すためにしかめっ面を浮かべて振り向く。
「今度はなに?」
「ちょっと、トイレ行って来てもいい?」
美咲と龍也は顔を見合わせて同時にため息をついた。
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