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何でだろう。何で俺には親がいないのだろう。
まるで日課のように、毎日自問繰り返す自分に嫌気がさす。
何度繰り返そうがそれに対する自答は決まっている。
「神様は俺で楽しんでいるんだ」
私立高校の屋上。俺は小さく呟いた。
自嘲するように顔を歪める。自分の馬鹿らしい考えに対して。
何も俺だけじゃないだろう。自分と似た境遇の人は数多いるはずだ。
その人達に聞きたい。
友達はいますか?俺はいません。
夢はありますか?俺はありません。
生き甲斐はありますか?俺はありません。
貴方は今、幸せですか?
「……俺は違います」
柵に体を預けながら、空を仰ぐ。
灰色の雲に覆われた空は、今にも雫を落とすのではと言う印象を与えてくれた。
だからどう、という話ではないが。
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