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「……ありがとう、白夜」
「気にすんなよ、俺がやりたくてやっただけだ」
帰り道、ふと隣を歩くリアス嬢から掛けられた言葉に軽く笑うと、頭をくしゃくしゃと撫でてやる
「ふふふ…貴方は本当に不思議な人ね
お父様やお兄様にされたら、いつもなら子供扱いしないでって反発してしまうのに…貴方にされると凄く落ち着くわ」
「そりゃ、俺は魔法の手を持っているからな…お気に召してくれて光栄だよ」
「ふふっ、なにそれ…」
おかしげに笑うリアス嬢に俺も優しい笑みを浮かべて応えてやる
「お前は俺の特別だからな…お前の為なら世界だって敵に回してでも守ってやるさ」
「っ……!!」
「……俺は、ただ一人を愛する事は出来ない浮気な男だ
だが…」
寂しげに笑い、力無く俯いていた顔を上げ、リアス嬢を見つめる
「好きになった奴等はとことん愛情を注ぐし…危害を加えるなら、世界だって神様だって殺して…守ってみせる!!」
「白夜…」
「リアス嬢、1度しかいわないぞ…俺の―――」
目の前で握った拳を開き、リンゴのように真っ赤になったリアス嬢に珍しく真面目な表情で口を開こうとした瞬間…
「部長ぉぉぉぉ!!白夜さぁぁぁん!!
そんなに遅いと置いて行きますよ~!!」
遥か前方を歩いていた一誠の声が俺達に浴びせられた
「………っ!?」
「ふふ……今日はここまでにしておくさ
リアス嬢…続きはいつか、君の答えを聞いた時に」
まったくナイスタイミング過ぎる一誠の声に、苦笑をしながらリアス嬢に囁くと、再び歩き出す
「………イッセーのばか……」
背後からの小さな呟きを聞き流しながら、帰路へ着く
だがこの後、これが波乱を呼ぶ事となる事になるとは、その時はつゆにも思っていなかった
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