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(ちっ、参ったな…)
夜、自室のベッドに横になりながら内心で頭を抱える
悩みの種は他でもない、リアス嬢についてだ
(本当に好きじゃない奴にはあんなセリフは吐かねぇんだけど…なんだかな…)
俺がリアス嬢を気に入ってる事は否定しようもない事実だ
だが…彼女に向けている感情が本当に愛情のソレなのかと問われると、首を傾げなければならない
(なんつーか…ザラつく…?…んだよなぁ…)
今までたくさん恋愛はしてきたが…リアス嬢に向くソレは、今までのどれとも違う不思議な感情なのだ
『マスター?』
「う~む……」
『マスター!!』
「ん…どうした、フェン」
『いや、マスターが久しぶりに悩んでるみたいだったから…』
「む…そんな風に見えたか?」
狼モードで俺の枕代わりになっているフェンに指摘され、思わず唸りを挙げる
神界に行く以前からの付き合いだからな…コイツはこういうところはとても鋭い
「リアス嬢の事なんだが…………
実は、アイツに抱いている感情が今一判断が付かなくて…な」
『また色恋沙汰かよ~、マスターの天然タラシめ!!』
「タラシで悪かったな」
『へへっ…でも、そんなマスターがアタシは大好きだよ!!
ん~……別に嫌いじゃなければ良いじゃん?』
「そう、か…」
その答えに再び口を閉じると、自問自答を繰り返す
(好ましいと思っている…だが、何かが違う…そんな考えで、リアス嬢の気持ちを惑わせていいのか…?)
「あ~…クソ、わかんねぇ」
もどかしい気持ちのまま
両手でガシガシと頭を掻きむしり、ダラリと四肢の力を抜く
「はぁ…………………………寝るか」
短く呟くと、頭の後ろで手を組んで意識を手放した
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