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「白夜さん…コイツ誰なんすか、いきなり出てきて図々しい…」
「ああ、コイツか…?」
小さな声で耳打ちしてきた一誠に、目頭を揉みながら疲れた表情で返す
「コイツはライザー・フェニックス…悪魔の名門、フェニックス家のお坊ちゃんでリアス嬢のフィアンセ…いわゆる婚約者ってヤツだ」
「へ、へ…ゑ?
こんっ!?」
「しっ、声がデカイ」
すっとんきょうな悲鳴を挙げかけた一誠の足の甲を踏みつけて黙らせる
「改めて言うわ、ライザー。
私は絶対に貴方とは結婚しない」
「おいおい…この婚約は両家の当主同士が決めた正式な契約だぜ?
それに、これは魔族の未来が掛かった大事な婚約だぞ…それをリアス、お前も知っているだろう」
「っ……!!」
(ほうほうほう…なるほどねぇ…)
今のやり取りだけでも大まかな事態は飲み込めたわ…
つまり、このボンボンは親同士が決めた婚約を良いことにリアス嬢を手籠めにしようとしてるわけだ
さらに悪魔の未来なんてデカイ事抜かしてしっかりとリアス嬢が逃げにくいように圧力まで掛けてやがる……本当はそんな事、口実に過ぎないだけなのにな
(自由に恋をしたいお姫様と、それを阻もうとする婚約者のボンボン…もうコッテコテのテンプレ過ぎて笑えちまうな)
そこまで思考を巡らせると回転を止め、冷たい薄ら笑いをボンボンに向けて浮かべてやる。
俗物過ぎるバカは一度どこかで叩いておかないと、リアス嬢まで変な目で見られちまうからな
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