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『…………………』
呆気に取られる面々を尻目に、肺一杯に紫煙を吸い込み、そしてゆっくりと吐き出して行く…
「ふぅ……高貴なフェニックス様の火で点けたタバコも、味は全然変わらねぇな…」
「………なんだと?」
「それと思い通りに行かないからって実力行使はいただけないな…貴族様の看板を背負う前に、まずはジェントルマンのマナーを学んだ方がいいぜ、お坊っちゃん」
『ぶっ!!』
たしなめるように言った言葉に、今まで呆然としていたオカ研の面々が一斉に噴き出す
「自分の言うことを聞かないからといって、レディに手を上げるのはマナー違反というモノじゃないかね?」
「ぶふっ…!!
ま、マスター…それっ…くふふっ…あぁ、腹痛い…」
腹を抱えて笑い転げるフェンを尻目に、みるみる内に顔を赤くするボンボンに冷ややかな笑顔で煽ってやる
「それに君、長男じゃ無いじゃない。
魔族の未来が懸かった大事な婚約なら、普通長男がするモノでしょ?
どうせ家督を継ぐのは長男なんだから」
「ぐっ、それは…」
「もしかして、君のお兄さんは君よりダメな子なの?
こんな軟派な君がお兄さんより優れてるんだったら、その家は潰れた方が良いと思うよ」
「なんだとっ!!貴様、もう一度言ってみろっ!!」
「だってそうだろう?あんたの家がどんな名家かは知らないけど、こんな軽率で色狂いな男が継ぐ家がろくな家になるわけが無い。
そんな家に、俺達の大事なリアス嬢を渡す訳にはいかないでしょ」
売り言葉に買い言葉、きちんと面白い反応を返してくれる姿に嘲笑を浮かべ、喉を鳴らして断言する
「正直、あんたに光るモノが見つからないんだよね…あ、御家の七光りはあるんだろうけどね。」
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