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「純血の悪魔がどうとか言ってるけどさ、歴史を紐解いてみなよ。
『純血』なんてモノにどんな価値があるんだ?」
先ほどまでの冷たい瞳から一転、燃えるような激しさを込めた表情でライザーを睨み付ける
「長き歴史を支えたのは純血の者では無い、そんな下らない幻想に囚われずに歩き続けた才覚ある者達だ
それを理解しない者に未来なぞ背負う事は出来ない
おい、一誠」
「へっ?」
「そんな所で呆けてないで、お前も何か言ってやれ」
後ろにいた一誠の首根っこを掴んで引き寄せるとライザーの前に放り出す
「こいつはリアス嬢の兵士、兵藤一誠……神滅具、赤龍帝の籠手を持つ悪魔だ」
「へぇ、こいつが…」
「ちょっ、御津さんっ!?」
「こいつは確かに卑しい人間の転生悪魔だが、お前より何倍もの誠実さがあるぞ?
正直、お前の何倍も魅力的な男だ」
今度は一誠を引き合いに出して煽り、真っ赤な顔のライザーにニヤリと笑顔を浮かべる
「まぁ、ぶっちゃけると種の保存とかどうでも良いんだ…女ってのは本当に好きな男と一緒になりたいと考えるモノさ
もし本当にリアス嬢がお前を好きだったら、こんなに拒んだりはしないだろ?
本当に愛する者と一緒になる…それが種族を問わず、女の幸せってモンじゃないかね?」
「い…言わせておけばぁぁぁっ!!」
完全に臨界点を突破したと言わんばかりに真っ赤な顔になったライザーが再び炎を燃え上がらせ、俺を焼き殺さんと放つ…!!
(ヌルい炎だな…)
ぼんやりと冷めた表情で思いながら、右手を突き出すと炎に宿る法力を掌握し、握り潰す
「なっ…!?」
「言っておく…先に手を出したのはお前だぜ?」
ニヤリと不敵に笑みを浮かべると、風の法力で出来た鎌鼬を振り抜―――
「そこまでです」
(ったく、遅ぇんだよ…)
――こうとした時、音もなく間に入り込んで来たグレイフィアの姿に、内心文句を言いながらゆっくりと手を下ろした
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