黒い影

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________ __________ 今日はお母さんとお出かけするから早く帰らなきゃ。 掃除当番もないし、早く帰れる。 私はLHRが終わって教室から 出ようとしていた。 「姫川さーん。」 畑中さんの声だ。 畑中早月ハタナカサツキ クラスの中心的存在の女子生徒。 スラッとした体型にクリクリの髪の毛。 私の中では1番クラスの女子で怖い人。 私は畑中さんに呼ばれ、振り返る。 「あたし、これから塾あるから代わってくんない~?」 私は怖くて顔がもう縦に振っていた。 「さんきゅ~!」 と言って教室を出た瞬間。 「どこのカラオケ行く~?」 と大きな声で話していた。 塾って何さ。 お母さんと出かけるのに… 私はため息をついて、黒板消しを手にとった。
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