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「集合っ。」
「「おう!」」
鈴木部長の号令がかかり、メンバー全員が石田監督の周りへと集まる。
「残念だが、七島(三年)、田中(一年)、崎島(二年)、田島(二年)、坂田(一年)、倉岡(二年)、桜田(一年)…そしてピッチャーの後藤…。
馬鹿野郎たちは試合に出られない。お前らが甲子園に行かなければ全員では出られない。だから死ぬ気でやれ。後藤が出られないため、ピッチャーは草野(一年)。以上。」
「は…はい!」
ドキマギした様子だ。
周りもびっくりして、目を丸くする。
い、今…なんて…?
水川くんじゃなくて、草野くん…?
「か、監督!!!」
水川くんが言った。
「な、んで草野なんですか?!」
「お前の足の状態じゃ全ては投げられない。それでお前の足がまた悪化して投げられなくなったら大へ…」
「投げさせてください!」
監督は水川くんをじっと見た。
「お前じゃだめだ。完治してから言え。」
「完治してます、大丈夫です!」
「じゃあ、なんで右足引きずるんだ!」
「俺が怪我したのは左足です」
「左足完治してないのに練習して左足かばってたら右足が悪くなったんだろ。」
「…っ…。」
水川くん治ってなかったんだ…。
「ばか。くそったれが。」
監督が怒鳴る。
水川くんは歯を食いしばって下を向く。
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