自衛官が幻想入り

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大きく生い茂る木々。どこか深い森の中。 重なりあった枝葉が空を覆い隠し、夜のような暗闇を作っていた。 思わず着けてある腕時計を見てみる。 ○○「現在時1730・・・1730?」 まだ夕方だ。 いや、そうじゃない。俺がさっき目を閉じて挫けた時は16時頃だったはずだ。 そこから概ね1時間半程経っている。 どういう事だろう。 ○○「課業終わってるし・・・あれ?荷物・・・」 体が軽くなった?いや違う。 荷物が全て無くなっていた。 背納も銃も防護マスクも装具も無い。さっきまで確実に身に付けていたのにだ。 あるのは着ている迷彩服と、腕時計、ハンカチ、ポケットティッシュ、メモ帳、ボールペンだけ。 あまりの出来事に訳が分からず放心状態に陥る。 荷物が無くなったのは本当にまずい。 そう。ならばここでこのままボーッとしているわけにはいかない。 直ぐにでも探さなければ。 幸いにも、ある程度喉の渇きは癒えていた。 しかしそんなことを気にするまでもなく、俺は立ち上がり、物品を探すために歩き出す。
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