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ツールさんと別れたあと、シヴァリエ国の王都であるシスティリカの街を散策しつつ、魔法学校を目指した。
さすが王都というだけあって、人の往来が相当に盛んだ。街の通りの両サイドには色々な店が立ち並び、胃袋を刺激するようないい香りを漂わせている食べ物屋さんもある。
「エイルっ!店が気になるのはわかるけど、早く学校にいくわよっ!荷物が重くて仕方がないわ・・・」
「うー、わかったよ・・・。そうだ、ティア、荷物持ってやろうか?」
「・・・そうしてくれると助かるわ」
ティアが素直にこちらの提案に乗るとは・・・。相当、疲れてるみたいだな。普段なら、意地張ってるところだ
「・・・あいよっと。っていっても、多分そろそろ魔法学校が見えてくるはずなんだけど・・・」
そういいながら通りの角を曲がった時、俺は絶句してしまった。
・・・いやいや、いくら王都の魔法学校って言ってもさ、でかすぎやしませんか?
俺の目の前に広がっていたのは大きな門と学校の敷地を取り囲むようにおかれているであろう鉄の柵に、門の先に続く左右に木々や花々の植えられた幅の広い道、そして、その先に見えるこれでもかってぐらい大きな校舎だった。
「何、固まってんのよ?歩かないなら先いくわ・・・・・・よ?」
ティアの声を聞いて自分が立ち止まってしまっていたことを認識したのだけど、ティアも目を見開いて固まってしまっている。さっきの俺もこんな感じだったのだろう。
「よ、予想以上にデカイわね・・・。王都の半分ぐらいしめてるんじゃないの、これ?」
「そう言われても信じるよ・・・」
「おや、もしかしてあなた方は新入生ですか?」
声のする方をみると燕尾服を着て、片眼鏡をした白髪の老人が立っていた。
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