シヴァリエ魔法学校

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「はい、そうですけど・・・あなたは?」 「私は新入生の案内役です。普段は生徒のみなさんの身の回りを世話したり、寮の清掃、食事などを用意するメイドや執事たちのリーダーをしております。これから何卒よろしくお願いします」 そういって老人は深々とお辞儀をした。 「いえ、こ、こちらこそよろしくお願いします。早速なんですが寮にはどう行けばいいんですか?」 「寮でしたらこの通りを突き当たって、校舎を前にして右手に道なりに行けば見えてくる建物がありますので、そこが寮です」 「ありがとうございます、助かりました」 「お安いご用です、それが仕事ですので。では、よい学校生活を」 微笑みをたたえた老人に見送られながら、俺とティアは言われた通りの道を進んだ。 「にしても、本当に広いわね・・・。しかも、いたるところに綺麗な花や樹があるし・・・。どれだけの人数の従者をあの人は管理しているのやら」 「まぁ、ものすごい人数であるのは間違いないよな・・・。おっ、あれが寮じゃないか?」 両サイドに背丈以上の草木の塀のあるエリアを越えると少し古風でいい具合に自然と調和した建物が見えた。 「・・・ここに住めるのか?かなり俺の好みにどストライクなんだが」 「私も同感よ。・・・何というか、周りの感じが村に似ているからかしら?」 「あっ、それでか。・・・よし、取り敢えず中に入ろうか?」 「そうね、感慨に浸るのは後にしましょう」 寮の玄関の扉をあけると、 からん、からん。と鐘の音がした。扉を開けてまず最初に目に入ったのは、カウンターに座っている女性だった。
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