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「クラティス君?次だよ?」
「ん?ああ、悪いな。ありがとう」
俺の一つ前の女子の測定が終わったらしく、ぼーっとしていた俺に順番だということを教えてくれた。
「よし、来たな。じゃあ、まず属性な。これに手を乗せてくれ」
言われたとおり水晶玉のようなものに手を乗せた・・・のだが、水晶玉を見る先生の表情は驚いたように見えた。
え?俺、なんかやらかしたの?ただ、手を乗せただけだよね??
「・・・もう一度、やってくれないか?」
「・・・え?あっ、はい・・・」
言われた通り、もう一度手を乗せたのだが先生の表情は変わらない。
「お前、エイル・・・だったっけか?よく聞けよ?お前の属性は・・・・・・ない」
「・・・はいっ!?!それってどういう・・・」
「文字通りだ。お前には属性がない。強いて言うなら無属性だ。だが・・・属性がないやつなんて今までに聞いたことがない。大抵、誰でも一属性はあるんだが・・・」
「・・・属性がないってことはどうなるんですか?」
「そうだな・・・。お前は属性魔法が使えないってことになる。すなわち、魔法のほとんどが使えないことになる。身体強化とかは使えるようになるかもしれないが、今まで属性がないやつがいなかったもんだから、魔法の詠唱がないんだよ」
・・・えーっと、俺は属性がない言わば無属性で、無属性の魔法使いなんて今までいなくって、詠唱がない=魔法が使えない。そして、俺が通い始めたのは魔法学校。魔法が使えないやつは?落ちこぼれ。
・・・あれ?入学初日で積んだの?これ。
「と、とりあえず魔力量、測って見ないか?」
「・・・はい」
俺は半ば放心状態でさっきのとは違う水晶玉に手を乗せた。
「はぁあああっ!?」
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