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「・・・ん?どうしたんだい?そんなに泣いちゃってさ。・・・魔法が使えないからいじめられたって?うーん、そうだな・・・。お前にこれをやろう。私にはこれは扱えないんだ。でも、君なら大丈夫かな?・・・いいかい?無属性っていうのは逆にいえば純粋な魔力なんだ。だからな?他の人と比べて・・・」
「・・・イルっ!・・エ・ル!!ねぇ・・・ってばっ!!」
「・・・zzz。」
「・・・。さっさとぉ・・・起きろぉおおおっ!!!」
ドスッ
「ごぶっふぁっあ?!」
うえっ・・・物凄く痛い。んだけどそれ以前に物凄く既視感のある流れだ。
それに今の夢・・・だよな?でも、無属性って言わなかったか?・・・そういえば、前の時も何か夢を見ていたような気が・・・。
「ティア・・・どうしてまたバイオレンスな起こし方を?」
今回は何か約束をしていたつもりはないぞ?・・・あれ?というか、今、何の時間なの?確か属性と魔力量測定の後・・・。
「・・・今日の授業はもうないのよ。属性と魔力量測って今日は終わり。あんた、先生に放課後職員室にくるように言われたんじゃないの?」
・・・そういえばそうだった。でも、何でティアが知ってるんだ?
「先生に「職員室に来るのを忘れないようにエイルに言っとけ」って言われたのよ。でも、あんたは爆睡してるし、いくら揺すっても起きないし、ほっといたらほっといたで起きないもんだから、強行手段に出たのよ。あんたが起きないのが悪いんだからね?」
・・・何も言わずとも俺の疑問を解消してくれて助かる。そして、いろいろ尽力してくれていたらしいこともわかった。
「わざわざ、ありがとな。・・・結構、体が痛いけど、俺が悪いわけだし」
「・・・さ、さっさと職員室に行くわよ!先生、結構待ってるだろうし」
慌て気味の足どりで、ティアは2人以外誰も残っていない教室の外へと歩みを進める。
「お、おい、ちょっと待ってくれよ」
それを追って俺も教室を出て行った。
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