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「あたしは王子が好き。だから王子にも、あたしのことを好きになってもらいたいの」
「僕は…」
嫌いじゃないよ。
むしろ、好きだけど。
でも、それって。
エレナが言ってる意味と同じなのかな。
そもそも、エレナのほうも。
どういうつもりで言ってるのか。
サッパリ僕にはわからないまま。
ひとり。
困惑していると。
「いいこと教えてあげる。あたしね、王子に会いたくて地球に来たんだよ」
「えっ!?」
思いがけない発言で。
口をパクパクさせている間に。
すました顔で、椅子から立ち上がり。
僕に向かって、エレナは言った。
「そろそろ戻りましょ」
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