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「楽しかったよ。ヴィジュアル系バンド見ながらコーラ飲んできた」
固まってる、僕のとなりで。
笑いながら、エレナが言った。
「先生にバレなかった?」
「絶対、内緒だよ。サボったのは怒られたけど。まさかそこまで言えないじゃん。お願いだから、内緒にしててね」
「いいなぁ。俺も行ってみたい」
大地が言って。
「今度、みんなで行ってみない?」
あたしも王子とおでかけしたい、って。
おそるおそる。
花音ちゃんが提案してきた。
「ちょっと…無理だって!」
「何言ってるの、お兄ちゃんだって行きたいくせに。1回くらいバレないよ」
「ふたりが行きたいなら、つきあうよ」
「あたしも!!」
手を上げ。
エレナもうなずいて。
「…わかった。行こう」
ついに、決心したように。
大地がうなずき。
「あきれるな。大会前に遊ぶつもりかよ」
鋭い声に振り返ると。
向こう側から、冷ややかな目で。
僕たちをながめていた。
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