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「ちょっと、行ってくる」
みんなにことわってから、席を立ち。
ユーリのテーブルに近づいて。
「さっき…ごめんね」
ドキドキしながら謝ると。
「何が?」
椅子に座ったまま。本から顔を上げ。
無関心な眼差しで、ユーリはこっちをながめてきた。
「ええと…」
僕は口ごもる。
イライラしたように、ユーリは手を振った。
「別に、何も気にしてないし。いいから行けよ」
だから、それ以上。
何も言えなくなっちゃって。
「…………」
仕方なく、彼に背中を向け。
少し泣きそうな気持ちになりながら。
みんなが待つテーブルへと引き返した。
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