4/6
前へ
/34ページ
次へ
教室に入ると、やっぱりいつもと違って閑散としていた。 それもそのはず。 だって、世間は夏休みだ。 俺は夏期補習を受けるために学校に来た。 別に、成績が悪いとかじゃなくて。 受験に向けたものに参加するだけ。 補習だからか、いつもの教室とは違う、クーラーの効いた広めの部屋。 人数もそう多くないから、どうしても閑散としてしまう。 外からは部活に励む後輩たちの声が聞こえる。 拓「ふぅ…ちゃんと勉強しよ。」 ?「拓也!おはよう。」 拓「ん…玲菜。おはよう。」 振り向くと、そこには見慣れた姿があった。 松田玲菜。 俺の幼馴染だ。 玲菜は俺の隣に腰掛けた。 玲「今日も暑いね。クーラー効いてるからまだいいけど。」 拓「そうだな。学校来るの嫌になるよ。」 玲「あはは。そうだね。」 なんて笑う玲菜の顔がまぶしくて、ふと目をそらした。 しばらくすると、先生が来て、授業が始まった。
/34ページ

最初のコメントを投稿しよう!

36人が本棚に入れています
本棚に追加