~決戦~オーガ

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アレンの話だと、普通に魔法を使うことは出来ないが、なんとか絞り出すことならできるらしい。 その魔法をスキルで強化すればオーガを倒すことができるかもしれない。 どうせ、何もしなければ勝てない相手なら、駄目元でも戦うしかない。 上手く俺が囮となって敵を引きつけ、そこをアレンが叩くという作戦だ。この場合、どちらか失敗してしまえば、二人とも死ぬだろう。 ここで、ふと気付いたことがある。 「ところで、アレンはどうやってこっちの世界に来たんだ?」 「あ、一番大事なことを話していなかったね。あっちの世界では、魔王の強力な力の余波で世界が揺らいでいる状態で、僕は、森で休んでいる時に、世界の狭間にオーガと一緒に吸い込まれて、今に至るってわけ。もう、その時のゲートは閉じてしまってるけど、この山にゲートの魔力を感じる場所があるから、帰ることはできるはずさ。」 アレンはいつでも帰れる状態だったにも関わらず、魔物を野放しに出来ずに、戦う手段を探していたのか?こんな子供でも魔物と戦わなきゃいけない世界って・・・ 「さぁお兄さん、外へ出よう!オーガは多分近くにいるはずだからね。」 「あぁ、それとアレン無茶するなよ。」 俺が目を見て真剣に話すと、アレンは笑いながら言った。 「大丈夫。勝てるよ。それよりも、心の準備はいい?」 「オッケー!行こうぜ!」 何だか分からないが、妙な自信が湧いてきて、俺は自然と出口へ向かって走っていた。
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