第8章

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「いやぁ、保険かけといて良かったよ。」 俺の拘束魔法はルミナを突き抜けそのまま消えていった。 「どういう........ことだ?」 「ふふっ。馬鹿だねぇ、あんたは。 俺の実体はもうすでに我が主の城にある。俺の魔武器の能力『真偽の操作』でな。」 くっ........やられた!!早々に消すべきだったのに。 「ま、そう言うこと。んじゃまたね、ハルキ・ウラワ。」 そう言い残しルミナは消えていった。 「ハルキさん.......。」 「済まなかったな。こんな目に合わせてしまって。」 関係の無い人まで巻き込んでしまった。その気持ちが心を縛る。 「い.......良いんですよ!!怪我も治りましたし。 それよりもこのことを国に知らせなければいけません.......ハルキさん、私をコーベル皇国へ送って下さい。」 そうだな。とりあえずこの話を全ての国に伝えなければ.........しかしなんだ?この胸のざわめきは。 「分かった。その前にリオン達に念話する。」 ((リオン、聞こえるか?)) ((主ッ!!大丈夫か?)) どうやら、俺の魔力を感知していたらしい。 ((その件なら大丈夫だ。それよりもお前達は一刻も早くフィールリアに戻ってくれ。 何かが攻め込んでいるかもしれないからな。)) ((分かった。とりあえず、レビラスとソウラをフィールリアに向かわせる。妾はココ達を連れて主の所へ行く。)) ((いや、ココ達を連れて寮へ戻っていてくれ。)) 俺はそれだけ言って念話を切り、カロンと共にコーベル皇国へ向かった。 「よし、着いたぞ。」 俺達は転移でコーベル皇国の近くの森まで来ていた。 「どうして城まで転移しなかったのですか?」 カロンが尋ねる。 確かにその方が早いのだが、何故かやめておいた方が良い気がした。 これは、カロンには言わなかったが。 「何となくだ。 とりあえず【インビジブル】。」 俺は自分とカロンに古代の最上級魔法をかける。効果は魔法名の通り、対象を透明にすること。 もちろん、服を脱ぐ必要が無いように俺が改造した。 「ハルキさん.......これは?」 「念のためだ。それよりも早く行くぞ。」 こうして、コーベル皇国にむかっていった。
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