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「ったく........どうするよ、総帝。 」
「んなもんわかんねぇよ。 ......でも王を見捨てて逃げるわけにはいかねぇな。
それに、あいつをまだぶん殴ってない。 」
アレクは燕尾服の男を睨みつけて言う。 燕尾服の男は綺麗な立ち姿でいつでも来い、という目線を2人に送っていた。
「おしっ!!んじゃいくぞ!!」
「しゃっ!!」
その目線に乗り、アレクとエミルは魔衣を纏って突っ込んでいった。 アレクが大斧を片手に、エミルは鉄鎚を片手に。
まず、エミルが鉄鎚を振りかざす。 燕尾服の男はひらりとかわす。 それを狙っていたアレクがエミルを飛び越えて大斧を横薙ぎに振るう。
燕尾服の男はタイミングを合わせて大斧の側面に手をついて横薙ぎをかわし、そのまま体重移動させてアレクを蹴り飛ばし、ついでエミルに魔法を放つ。
「降り注げ【シューティングミーティア】。 」
小さな流星群が至近距離にいたエミルを襲う。 エミルはいくつかは鉄鎚で粉砕するが、全てを破壊することは出来ずそのまま流星群を全身に受けて壁に激突した。
「これでお分かりでしょう。 なんど立ち向かおうともあなた達と私とでは実力に差がありすぎるんですよ。
いい加減、降参してくれませんかね? 」
燕尾服の男は2人に言葉を投げかける。 しかし、単純バカのエミルと無駄にプライドの高いアレクは決して引き下がろうとはしなかった。
「うるせ.......ぇよ。 まだぶん殴って......ないっていってる......だろ。 」
「はぁはぁ.........ぶち殺す。 」
すでに限界を迎えている身体に鞭打ち、必死で立ち上がる2人。
「そうですか。 そこまで言うのなら一思いに私がトドメをさしてあげましょう。
星の軌跡を一つに繋ぎ、王の裁きを顕現せよ【ヴェルトラウム】。 」
燕尾服の男から白い光が立ち上り空に向かう。 すると空が光り、8つの赤い光が巨大なスピアになって一気に降り注いできた。
ゴォォォォっという轟音が城を揺らす。
エミル達は降り注ぐ赤いスピアを見つめながら対策を練る。 しかし、2人には何も出来ない。
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