第9章

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その庭園に出来た小規模のクレーターから燕尾服の男、ケイが現れた。 「全く........なんという力。 腕もまだ痺れていますし。 」 ケイは両腕を見て改めて実感した。 魔力で強化した腕を素の力で痺れさせたあの戦乙女の実力を。 「あら、生きてたのね。 てっきり殺したかと思ったわよ。 」 噂をすればなんとやら.......戦乙女リーナが荒れ果てた庭園に降り立つ。 「そんな簡単にはやられませんよ。 光させ我が周りに。 守れ我が身を。 【サークル・オブ・ブレイブ】。」 ケイの周りを無数の輝く光の剣が取り巻き浮遊しはじめた。 「星属性究極級ね。 文献で見たことあるけど........物騒ね。 」 「見た目通り、威力は凄いですよ。 」 ケイは右手を動かす。 光の剣はそれに従うようにしてリーナに高速で向かう。 リーナは瞬時にその場から姿を消す。 目標を失った光の剣は地面を削り取り再び軌道を修正する。 「やはり速いですね.........しかしこれならどうです。 」 すると今度は360度全方位に向けて光の剣を放つ。 マシンガンの如く放たれた光の剣は容赦無くリーナ達を襲う。 しかし、リーナは自分の進行方向上の光の剣だけを弾きながらどんどんケイに近づいていく。 「では........これはどうですッ!!」 ケイは更に倍ほどの光の剣を放つ。 流石のリーナもさばききれず、身体に切り傷が増えていく。 それでもリーナは進むことをやめず、ついに剣の届く範囲までたどり着く。 「くっ!!星の加護我にあらんことを【シュテルン・シュッツ】(星の守護)。 」 ケイは光の剣を消し攻撃に備え防御に徹する。 星の力が集まり、ケイをドーム状のものでしっかりと守る。 「無駄よ。 我流剣術【彗星斬】。」 光の剣が消えたことで更にスピードを増すリーナ。 その姿はまるで流れ星の様でケイを魔法ごと切断した............... はずだった。
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