2242人が本棚に入れています
本棚に追加
/546ページ
「はい。 あのハルキ・ウラワという男はカロン皇女を殺し、コーベル皇国に宣戦布告をすると皇帝様に伝えろと言われ、そして私は強制転移させられたのです。」
「皇帝様、これは一大事ですぞ!!一刻も早くそのハルキ・ウラワを指名手配にし、コーベル皇国の全勢力をもってして討ち取らねばなりませぬ。 」
「いや、フィールリア王国を攻め滅ぼしましょう!!」
ルミナの発言をきっかけにもはや怒号に近い主張が飛び交う。 あるものは陽姫を殺せと。 そして、またあるものはフィールリア王国そのものをを潰せと。
「さぁ、皇帝様。 ご決d「はい、ストップ。 」何者だ!?」
陽姫は音声遮断を解除し、声だけを響かせる。 その場にいた全て.........いや、ルミナ以外は誰の声かも分からずいつでも戦える体制をとる。
「この声.........!!まさか!?」
「そう!!そのまさかさ。 」
陽姫はとうっ!!と言いながらジャンプし、鮮やかな後方三回転宙返りを決めた。
これにはルミナも含めて全員が唖然とした。
「.........はっ!?きっ、貴様は!!」
最初に正気に戻ったのはルミナ。 そしてわざとらしい演技で陽姫を追い詰めようとする。
「皇帝様、こいつです!!こいつがカロン皇女を..........。 」
ルミナは涙を流して言う。 大臣達はそれを見て更に怒りを増し、陽姫に一斉に魔法を放つ。
「ワオ!!危ないったらありゃしない。 【遮断領域】。 」
言葉だけで実際慌てている訳のない陽姫は無属性の究極級の防御魔法をドーム状に形成し、自分自身とカロン、あとカロンの父親を囲う。
大臣の全ての魔法が向かうが、陽姫の防御魔法を突き抜けられるものは何一つ無かった。
「あんたら、ちょっとは場所を考えなよ。 皇帝様がいるんだろ? 」
陽姫はニヤリと笑って言う。
その一言で大臣達は慌てふためき、中には皇帝の間から飛び出すものもいた。
しかし、実際は陽姫の防御魔法に守られているのだから、傷どころか服装一つ乱れてはいかなった。
「さて、大臣いじりはこれくらいにしよう。 俺はあんたに用があるんだよ...........ルミナ。 」
陽姫はルミナを指差して言う。 ルミナは状況が悪化したので逃げようと転移をしょうとするが.....
「あんた、転移しようとしてるだろ? 残念だが、転移防止結界と普通の結界張ってるから逃げられないぜ。 」
ルミナにはそれが悪魔の囁きに聞こえた。
最初のコメントを投稿しよう!