第9章

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しかし、ルミナは笑いはじめた。 「ふ、ふふふふっ........ふははははははははは!!何を言い出すかと思えばそんな事か。 何故俺が逃げる必要がある? 今ここで逃げるとすればそれはハルキ・ウラワ、あんただ。 」 ルミナは精一杯の虚勢を張るが、陽姫は垂れ幕の裏からカロンを呼び出してそして言う。 「じゃあ、これだ~れだ? 」 ルミナさん、人生終了のお知らせであった。 「やった.........? 」 「分かりません。 ですが油断は出来ませんよ。 」 ギルド《不敗の剣》の地下訓練場での戦いの結果、零が拡張していた空間はボロボロ。 零も空間を維持するのにいつも以上に魔力を消費していた。 「ミリーナ、今の魔法ってなんなの? 」 「..........複数詠唱魔法。 」 「マジかよ!?」 複数詠唱魔法とは名前の通り複数人で一つの魔法を行使すること。 繊細かつ高度な技術が必要であり、それゆえ発動できれば絶大な威力を発揮する。 「凄いのぅ、ミリーナは。 」 ふと現れたのはバンとジェルだった。 別に戦っていたわけでもないのに何故か所々傷を負っていた。 「あんた達、何処にいたのよ!?こっちは大変だったんだからね。 」 「いや、悪い。 あの敵が来た時に吹き飛ばされて2人仲良く気絶してたんだよ。 すまん!!」 「わしも悪かった。 」 カルナの機嫌を治そうと必死で謝る2人。 しかし、謝罪はイクシオンのいた場所から先ほどの魔法で発生した砂煙が突如晴れはじめたことによって遮られた。 砂煙が晴れるとそこにはイクシオンともう1人、知らない少女がいた。 「キシシシッ。 助かったぜ、アスタ嬢。 あれは流石にヤバかったからな。 」 「うるさいわよ馬鹿。 手なんか抜いてるから悪いのよ。 後、その笑い方やめて。 キモイから。 」 アスタという少女はイクシオンにズバズバと文句を言う。 金色のロングの髪で肌は透き通るように白く、紫の瞳がクリクリしている可愛らしい顔だ。 肩を露出する大胆な赤い服はまだ成長しきっていない身体にフィットしており、同じく赤いミニスカートをはいていて、それに加えニーハイとブーツという一部の人間にはそれはもうたまらない小悪魔系ロリっ娘である。
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