第9章

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「キシシシッ、今度は男か.........まぁ、どっちにしたって殺すのは確定だからな。 」 「うるさいわ。 お前に殺されるほどやわな鍛え方してへんわ。 紫音。 」 翔喜は自身の魔武器である紫音を両手に構える。 「キシシシッ、じゃあいくぜぇ。 」 イクシオンは超高速で動き始める。 翔喜は魔武器によって強化された視力で動きを捉える。 その影を追って翔喜も仕掛ける。 両者の姿は見えなくなり、イクシオンの爪と翔喜の魔武器の交わる音のみが聞こえる。 「速すぎて何も見えないわね。 」 「私も........追えない。 」 どうやら2人のスピードはミリーナの高度な能力でも、もはや追うことは出来ないようだ。 暫くそれが続き、そして2人は一定距離を保って止まった。 「キシシシッ、中々やるじゃねぇかよ。 」 「はぁはぁ..........やかましいわ。 速いだけが取り柄のくせして。 」 翔喜は紫音を大量に分裂させる。 更にそれに時間加速、重力軽減の魔法を掛けて一気にイクシオンに向けて投げる。 もはや、強化された翔喜の視力ですら見えないそれは瞬きをする間も無くイクシオンに到達。 これには反応出来ないらしく、イクシオンは穴だらけになる。 「キシシシッ、だから無駄だって言ってるだろ? 」 しかし、いくらイクシオンを貫いてもイクシオンは平気な顔で翔喜に攻撃を仕掛ける。 翔喜も紫音の能力プラス重力負荷軽減の魔法で何とか応戦する。 (ちっ、これじゃあじり貧やんか。 ) 「キシシシッ、どうしたどうした!!さっきの威勢は何処なんだよ、おいっ!!」 「やかましいわ!!【黒龍焔】。」 翔喜はつい最近習得した火の派生系である黒炎属性の魔法を放つ。 イクシオンは黒い龍に飲み込まれ、そのまま壁に激突し、そして大爆発が起きた。 「はぁっはぁっ............どんなもんや。 」 「くっ......何で消えねぇんだよ!!」 煙が晴れるとそこにはビンピンしているが黒い炎に包まれたイクシオンの姿があった。 「当たり前やばーか。 それは黒炎やから対象を燃やすまでは消えへんで。 」 黒い炎はその勢いが衰えること無くイクシオンを燃やす。
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