第9章

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翔喜は続けていう。 「お前ってさ、完全な流動体って言ってるけどただ自分の身体を魔力でいじくってるだけだろ? 」 「なっ!?........何のことかな~。 ぜ、全然分からないや。 」 イクシオンは急に言動がおかしくなる。 あの変な笑い声も止まった。 もはや、自分で秘密を言っているのも同然だ。 「そうか。 まぁ、黙秘しててもええよ。 どうせその黒炎はあんたが塵になるまで消えへんから。 」 そう、これが黒炎の特性である。 対象を燃やし尽くすまで決して消えない。 ついでに、魂も一緒に焼きつくせるのが獄炎という炎で人間には使えない。 「くっ.........ならば貴様も道連れだ!!」 そう言ってイクシオンは突っ込んでくる。 翔喜も残り少ない魔力で身体強化を施し必死でイクシオンの猛攻をかわす。 「ショウキ殿!!頑張って下さいね。 」 「余所見なんてしてていいの? 【サタン・フレイム】。 」 こっちはこっちで先ほどからこの繰り返しであった。 アスタが魔法を放ちソウラが巧みにかわす。 アスタの放った特大の火炎玉はその大きさからは想像もつかない高速でソウラを狙う。 しかし、所詮"高速"である。 火炎玉はソウラのスピードについていけるはずも無く、そのまま誰もいない方向へ飛んでいき、そこで大爆発を起こす。 「ふぅ.......アスタ殿、もうやめましょう。 何度やっても我には魔法はあたりませんよ。 」 「うるさい!!【怠惰の衝動】。 」 今度は薄い灰色の波動が向かってくる。 ソウラはかわすが、既にアスタは先回りしておりソウラに蹴りを放つ。 「くっ!!」 「おまけよ。 【怠惰の衝動】。 」 更に追い打ちでアスタは先ほど撃った魔法を再び発動する。 ソウラは前後をその魔法に挟まれてしまった。 「やばっ!?【スパークバースト】。 」 ソウラは機転を利かせ、地面に向けて魔法を放つ。 すると電気が弾けて爆発し、その軽い爆風がソウラの身体を浮かせる。 直撃は避けたものの、ソウラは左腕をアスタの魔法に飲み込まれる。 しかし、痛みは無かった。 (どういう事でしょうか? 攻撃系魔法じゃ無いんですかね。 ) とりあえずソウラはアスタの距離を取り、左腕の状態を見ようとする。 だが、左腕は動かなかった。
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