第9章

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(何故動かない!?神経系をやられたか!?) 「焦ってるわね? これが怠惰の力よ。 」 「これは誤算でしたよ。 まさか片腕を失うとは。 」 ソウラは左腕をだらんと垂らして言う。 痛みは全くないが、左腕は灰色に変色しピクリとも動かなかった。 「........ですが、良いハンデですよ。 」 「ふん!!軽口を叩けるのもいまのうちよ。 【憤怒の炎槍】。 」 アスタは業火の槍をぶん投げる。 ソウラは残った右腕と脚でうまくかわす。 「まだまだ!!【嫉龍】(しつりゅう)。 」 続いて現れたのは紫色の龍。 みるからに負のエネルギー満タンである。 そしてアスタはソウラをみて言う。 「これはあなたのそのスタイルに対する嫉妬で出来た龍よ。 くらいなさい!!全ての貧乳の嫉妬を!!」 龍は動き出す。 全長数十メートルのそれはソウラを追いかけていく。 ソウラはその龍を時にはかわし、時には魔法を撃つなどして龍の突進を防ぐ。 「私も忘れないで欲しいわ。 【怠惰の指矢】。 」 更に追加であの灰色の波動の矢バージョンを指先から放つ。 先ほどの波動が広範囲なのに対して今度の矢は一点集中でしかも超高速で向かってくる。 ソウラはうまく龍の身体に当たるように軌道をあわせ、自爆を誘う。 (この位置なら私と龍が一直線ですね。 ) 矢と龍が迫ってくる。 矢は龍よりも速く、その間隔はあと数センチだった。 「よし、ここから反撃───ッ!?」 しかし、予想外の事が起こった。 矢は龍をかわしソウラに向かって来たのだ。 その時、一瞬の焦りが生じた。 それが命取りだった。 僅か0コンマ数秒の遅れがソウラの右膝に矢が当たった原因になった。 矢は当たった時点で消え、かわりにソウラの右膝が灰色に染まる。 「しまっ───!?」 更にオマケであの龍がソウラに突撃。 大爆発を起こした。 「ふん、他愛ないわね。.........イクシオン、さっさと帰るわよ。 ちょうど集会の連絡がきたわ。 」 アスタはイクシオンに言う。 イクシオンは片手にボロボロの翔喜を引きずりながらやってくる。
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