第9章

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「いきます!!」 ケイが駆け出す。 周りで浮いていた剣を侍らせながらリーナに肉迫する。 「せやぁっ!!」 ケイは五本の内の一本を手に取りリーナに斬りかかる。 リーナは冷静にそれをいなし続いてくる剣もはたき落とす。 (遠隔操作か......ちょっときついわね。 ) リーナは内心焦っていた。 かなりの実力者であるケイに加えて、その彼の操る剣も相手にするのは骨が折れる。 実際先ほどはたき落とした時も、かなりの威力だったため仰け反りそうになったのはリーナだけの秘密だ。 「まだいきますよ。 繋ぐ軌跡は獅子を表す【ゾディアック・レオ】。 」 ケイは剣を持っていない方で空中に何かを描きそして喚び出す。 輝きを放ちながら現れたのは金色のたてがみを携えたライオンだった。 「いけ!!」 ケイの合図と共に飛び出すライオン。 これでリーナの相手はケイ、ライオン、五本の剣となった。 「くっ.........はあっ!!」 リーナはライオンを倒す事を優先しライオンに突っ込む。 剣が左右から飛んでくるが、最小限の動きでそれらをかわしてライオンに斜めに斬り上げる。 血こそは出ないものの一瞬動きが止まったのを狙い首を切り落とす。 しかし、ライオンは止まることなくその鋭い爪をリーナの頭目掛けて伸ばす。 リーナはライオンを蹴って自らをその爪の届く範囲から追い出し体制を整える。 「まさか死なないとは思わなかったわ。 」 「当たり前です。 魔法ですから。 」 どうやら込められた魔力が尽きるまでは倒れない仕組みらしい。 「いいわ。 いくらでも切り刻んであげるわ。 」 リーナがニヤリと悪人のような笑みを浮かべ再び飛び出そうとした時、中庭の方から凄まじい爆発が起きた。 流石にケイもこれには一瞬動きが止まってしまう。 「カロティア様ですね........いくらなんでも力を出し過ぎでしょう。 」 「お城.........建て替え時かしらね。 まぁ、それはそれよ。 」 リーナは気持ちを切り替え敵を倒すための状態にはいる。 「すみません。 今日はここまでのようです。 ルーダ様の召集令がきました。 」 ケイの発言に思わずこけそうになったリーナ。 「私が逃がすと思ってるの? 」 「いいえ。 ですが、もう逃げ終わりました。 」 そのその台詞と共にケイは光の粒子になって消えていく。 どうやらやられたのはリーナのようだった。 「ふぅ.........やられちゃったわね。 」 急に緊張感がなくなりその場に寝そべるリーナ。 彼女が見上げた空はこの緊急事態の中、綺麗に晴れていた。
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