第10章

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謎の襲撃から4日程経ち、陽姫たちは普通に学園へ通っていた。 王城が破壊された、という出来事はフィールリア全土にかなりの衝撃を与え、学園でもその話題で持ちきりだった。 「はぁ、眠い。 」 そんな中、浦和陽姫はいつものように朝早く起き、朝ご飯の準備をしておく。 慣れた手つきで包丁をリズミカルに鳴らし、材料を切っていく。 「ふぁ~。 主、おはよう。 」 次に目覚めたのはリオンだった。 陽姫の使い魔である。 「おっす、リオン。 もうそろそろ出来るから顔洗って京翠たちを起こしてきてくれ。 」 「ふぁ~い。 」 リオンはよろめきながらも洗面台にいく。 普段はしっかりしているのに朝だけはめっぽう弱いリオンであった。 それから、家族揃って朝ご飯を食べ、陽姫は部屋を出た。 「おっはよー!!陽k「うるさいわ。 」 オッフゥ。 」 「おっす、陽姫。 相変わらずやな。 」 部屋を出てすぐに陽姫に延髄蹴りをされたのは神田零。 もう1人は佐倉翔喜である。 この2人は陽姫と同じ世界からきた人間、つまり勇者である。 「いててっ。 全く陽姫は加減って言葉を知らないの? 」 「生憎だが俺の辞書にそのような言葉は存在しない。 」 「でもいいや。 これも愛の形だからね。 」 「いや、絶対ちゃうやろ!?」 この零という男は勇者なのか時々疑うほど変態であった。 3人は寮から歩いて学園へ向かった。 ここ、ジェダイト学園はフィールリア国内最大の学園であり、授業のレベルも高水準である。 「そういえばさ、あいつらについて何かわかったことはあった? 」 暑い陽射しの中、零は陽姫に尋ねた。 「いや、まだ何も分かっていない。 だが、奴らが俺らより実力があることは確かだったな。 」 それは受け止めなければならない現実。 陽姫達は1人も倒せなかったのだから........。 「そうやな........この夏でどれだけ伸ばせるかが重要やな。 」 しばらく歩いていると校舎が見えてきた。 赤茶色の塗装をされた校舎の壁はつい最近塗り直されたように綺麗であった。 教室に入るとすでに何人かきていた。 「やぁ!!ハルキ君ではないか!! 早く私との愛の特訓をしよう!!」 「全力で断る。 」 朝からハイテンションなこの女子生徒はミン・リューク。 陽姫が出会って失敗したと思った女子堂々の第一位である。 「またまた~。 本当はあーんな事やこーんな事を妄想してるんでしょ?...........あれ、いない? 」 陽姫達は培われたスルースキルで鮮やかにスルーし、自分の席についた。
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