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「よし、結界は張ったな。 では、早速取り掛かるか。 」
部屋に三重の結界を張り、万全の状態にしてその剣を抜く。 刀身は血の色を写したように紅く、不気味な印象だ。
『ケケケッ、私を抜いたのはお前か? 早速だがその体乗っ取らせてもr「やかましいわ。 喋る武器とか奪妃だけで十分だから。 」 ぐっ、どうして乗っとれない!?ってか放しやがれ!!』
その剣は陽姫から逃れようとその刀身を振り、脱出を試みる。
「暴れるな。 お前はこれからこの魔道人形に移ってもらう。 拒否権はない。 」
『あぁ? ふざけんなよ!!私が何故そのようなガラクタなどに移されなければならない!?』
剣は暴れることをやめない。
「うるさい。 そしてじっとしてろ【エアロック】。」
陽姫は空気ごと剣を固定する。 途端、騒ぎ声も消えた。
「うしっ、んじゃあやりますか。 【万物の強奪『存在』】対象魔剣。 」
すると、何やら淡い赤っぽい色をした綿あめみたいなのがスルッと剣から抜け出す。 陽姫は慎重にそれを魔道人形へと移す。
「.........よし、これでOKだな。 おい、起きろ。 」
陽姫は魔道人形を揺さぶり意識を覚醒させる。
「んんっ?..........なっ!?」
目覚めた魔道人形は自分の身体を見回し、そして陽姫を睨んで言う。
「てめぇ.........よくも!!」
「安心しろ。 俺が改良に改良を重ねて最強のメイドにしてやる。 」
そうして陽姫は一つの本を手にとる。 そこにはこう書かれていた。
『誰でも出来る!!魔道人形作成~入門編~』
そのあと、魔道人形がまだ慣れない身体で必死になって逃げようとしたことは言うまでもなかった。
「よし、とりあえず魔力の循環器は取り付けた。 だがまだ足りないな。........そうだ!!スピント線を繋いで伝導率をあげるか。 」
あれから2時間、作業が着々と進んでいた。
「おい、何故入門編を読んだだけでここまで私の性能があがるんだ? 正直いって理解できない。 」
あれから暴れることを諦めた元魔剣の意識はただ陽姫の作業を見ていた。
((主、そろそろみんなの夜食が出来るぞ。 ))
不意にリオンからの念話がきた。 どうやら大分と時間が経っていたようだ。
((分かった。 関節部分の摩擦軽減の魔法陣刻んだらそっちにいく。 ))
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