第10章

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「あほか。 何事も第一印象ってのが大事だろが。 」 夢生は小声で陽姫に言う。 「いや、第一印象が良くてもそれは初めだけだからな? どうせバレるって。 」 「ハルキ、それにムウさんとやら........とりあえず飯にしよう。 腹が減ってやばいのじゃ。 」 ジェルが蚊の鳴くような声でいう。 それを言われて始めて自分も腹が減っていたことに気づいた陽姫は席につき、夜食を食べ始めた。 「主、あのムウという魔道人形...........嫌な気配がするのじゃが。 」 手当たり次第に物を食べている陽姫にリオンが聞く。 「.........ふぅ、よく分かったなぁ。 ってかレビラスもココもソウラもわかってるだろな。 あいつの精神は元々魔剣だ。 」 「やはりか。 じゃが、主が改造したなら妾も心配する必要も無いな。 ところで、どれだけの改造を? 」 実のところ、リオンは夢生の精神などどうでも良く、ただ夢生の能力を知りたかっただけであるということは、誰も知らない。 「あぁ。 まず核は俺の魔力を圧縮して作った結晶で出来てる。 それと大気中の魔力を連動させて魔法を撃てる。 属性は基本属性プラス俺の絶と奪以外を使える。 」 「.......凄いな。 ちなみに、魔力量は? 」 リオンは目を輝かせている。 「分からないな。 多分、大気中の魔力を利用するから魔力量はミリーナみたいな感じだと思う。 今日は後、関節部分の摩擦をほぼ0にしただけ。 残りはテストまでに終わらせる。 」 その日は夜食を食べた後、各自部屋に戻った。 それから10日間、陽姫達はこのサイクルを繰り返した。 そして今日はテスト当日。 テストは三日間あり、初めの二日が筆記で最終日が実技である。 「おっす。 お前ら元気..............じゃなさそうだな。 」 陽姫が教室に入ると、すでに教室内の空気は異様だった。 「おぉ.........ハルキじゃねぇか......うっぷ。 」 「どうしたんだ? 」 自分の席でグッタリしていたバンはそれだけ言って再び机に顔を伏せる。 「ハルキ、おはよう。 」 「おお。 ってかバンがどうしてこうなってるか知ってるか? カルナ。 」 「あぁ、バンはテスト前は気分が悪くなるのよ。 中等部の時からずっとそうよ。 」
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