第10章

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「そうか。 じゃあそっとしておくか。 」 陽姫はそのまま席につこうとするがカルナに呼び止められる。 「ハルキ、どうしたの? いつもなら『バン、起きやがれ。 これから暗記のラストスパートだ!!』とか言わないの? 」 「いや、昨日......というか今朝だな。 やっと夢生の最終メンテナンスが終わってな。 ちょっと仮眠をとりたいんだよ。 」 陽姫はここのところほとんど寝ていなかった。 その大きな理由は夢生の整備であった。 お陰で凄い睡眠不足に陥ったが、夢生は最強のメイドとなった。 「ハルキ、起きろ。 テスト始まるぞ。 」 「んっ.......そうか。 」 あれから30分、無事に仮眠を終えた陽姫はいつの間にかきていた翔喜に起こされた。 「解答時間は80分です。 では、魔法学の試験を開始して下さい。 」 テストが始まった。 (ふぅ.......終わった。 とりあえず他の奴は大丈夫か? ) 開始30分弱で試験を終わらせた陽姫はカンニングにならない程度に辺りを見回す。 (カルナは普通にやってるな。 翔喜とミリーナも苦戦はしてるが大丈夫そうだな。 バンは...........相変わらずか。 ) 陽姫はそれだけ見て再び仮眠をとりはじめた。 「解答終了です。 解答用紙を後ろから送ってきてください。 」 解答用紙は回収される。 あるものはやり切った達成感、またあるものは絶望がそれぞれの顔に現れていた。 「ふぅ、これなら次も寝れるな。 」 「陽姫、どうやったんや? 」 そう聞いてきたのは陽姫の前の席の翔喜だった。 「余裕だ。 半分を睡眠に充てた。 」 「余裕すぎるわ。 俺でも5分しか余らんかったのに。 」 その発言等が周りの奴の怒りを買っているとも知らず2人は喋る。 しかし、それで八つ当たりをしてしまえばどうなるか分かっているクラスメイトは何も出来ずにいた。 さらに、陽姫は次の算学のテストで25分という驚異的な記録を残してテスト初日を終えた。
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