第10章

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『ドコダァァァァァァァァ!!ガァァァァァァァ!!』 完全に切れたエミリオは魔力を四方八方へと放つ。 精霊のものとは思えないドス黒いその魔力は地を溶かし天を貫く。 「はい、三撃目。 」 タイミングを計ってエミリオの頭上に現れる陽姫。 奪妃を持つ手に力を込め、そして一気に振りかざす。 『ヌッ........ダァァァァァァァァァ!!』 それに気付いたエミリオは黒い魔力を一気に放つが 「残念。 それ残像ね。 」 すでにエミリオの前でしゃがんでいた陽姫は氷属性の魔力を奪妃に込め、一振りする。 エミリオを真っ二つにした斬撃はそのまま巨大な氷晶をつくった。 ((夢生、終わったぞ。 降りて来い。 )) ((おぅ、分かった。 )) 「なぁ、なんでこいつは起きねぇんだ? 魔法耐性があるんじゃねえのか? 」 地上二百メートルから飛び降り見事な着地を決めた夢生が聞く。 陽姫は奪妃を納めてそれに答える。 「あいつが魔力を吸収出来るのを利用して容量オーバーを狙っただけだ。 」 「何だ、そんなことだったのか。 んじゃほとんど私のお陰だな。 」 陽姫の発言に急に強気になる夢生。 「そうかそうか..........夢生のフレイムアロー計一万発が神級十発分もあるというのか? 」 その発言に夢生は耳を疑った。 神級十発.......異常な量である。 ちなみに人体と魔力に関する調査によると大体人間が一生に持つ魔力のピークの平均値はおよそ三千万。上級魔法三十発分である。 そして神級魔法一発、それは平均的な男性20人分程の魔力が必要になる。 単純計算で六億、それが十発でおよそ六十億。 とても涼しい顔をして込められる魔力量ではない。 「マジかよ.........何者なんだよマスターは。 」 「俺は俺だ。 それよりも次の以依頼に行くぞ。 」 陽姫と夢生は次の場所へと向かった。
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