第10章

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「着いた........って寒ッ!!」 続いて陽姫達がきたのはアカハマラという雪山の頂上に近い部分。 生身で来れば数分で凍死する程の寒さである。 「マスター、なんで五感機能なんて付けたんだよ。 寒くて仕方ねぇじゃんかよ!!」 「そうか。 取ってもいいけど、それじゃあもうリオンの飯を食っても意味がないな。 今度から夢生の分はn「よし、我慢するわ。 」 それでいい。 」 流石にそのままでは死んでしまうので、二人は全身を魔力で覆い冷気を遮断する。 「ところでよぉ、ここでは何をするんだ? 」 「今回はここの山の頂上にあるユーラの花の採取だ。 」 ユーラの花はマイナス数十度の超低温という環境でのみ花を咲かせる事が出来るという特殊な性質を持っている。 「で、どうせそれだけじゃねぇんだろ? 今度は一体何が出るんだよ。 」 最近、陽姫の考えが分かり始めたらしく、夢生は陽姫の真意を聞く。 「あぁ。 頂上に天氷竜がいる。 」 夢生は再び絶句した。 天氷竜とは氷属性最強の魔物で実力は五大龍に匹敵する程だとも言われている。 「マスター、確かもう一枚依頼書あったよなぁ.........ちなみにそれはどういう内容なんだ。 」 「もう一枚か? えっと..........霊樹の補強。 場所は霊峰の中腹あたりだ。 」 霊峰とは他の地よりも魔物の力が遥かに強くなってしまうよくわからない地で、麓に行くのさえ困難だと言われている場所である。 それを聞いた夢生は切実に帰りたいと思った。 「そう絶望に打ちひしがれたような顔をするな。 後でなんか買ってやるから。 」 「...........分かった。 」 家族にはやたらと甘い陽姫であった。 頂上は意外にも早く着いた。 どうやら天氷竜にやられたのか道中に切り裂かれた魔物の死体を大量にみた。 「さてさて、天氷竜はどこにいるのやら.........。 」 「あっ、あれじゃねぇのか? 」 夢生が指差すその先に天氷竜はいた。 全長約30メートル、全身を堅牢な白い鱗で覆い、更に決して溶けない氷で出来ていると言われている角が額から天を差している。 「発見。 んじゃ俺が相手してくるから夢生はユーラの花を一つ摘んでこい。 」 「了解!!」 そして二人は二手に分かれた。
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