第10章

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「ふぅ、あの性格をどうにかして直したいものだ。 奪妃、どうなんだ? 」 『さぁ、分からないわ。 私も初めてだったし.........まぁ、いいんじゃないの? 』 元に戻った陽姫は奪妃に尋ねた。 陽姫も毎回あれは精神的に辛いようだ。 「マスター、いいから次行くよ!!【集団転移】。 」 「ちょっ!?」 二人は次の目的地へと向かう。 「到着。 さぁ、早く終わらせるよ、マスター。 」 「.......そうだな、そうしよう。 」 二人が降り立ったのは霊峰の麓。 もうすでに不思議な力を受けた魔物たちがうようよいる。 「んじゃあ夢生はここらの敵のお相手頼むわ。 俺はさっさと霊樹の補強してくるから。 」 「分かったからさっさとやって来い、マスター。 」 「おかしいな。 確かここら辺だったんだけどな。 」 登り始めて30分、霊峰の中腹辺りまできた陽姫はお目当ての霊樹を探す。 しかし、中々見つからない。 転移を使いたいところだったが不思議な霊峰パワーにより目的地へと着けず、嫌々徒歩で進んでいた。 「もうちょい上k「ギャス!!」 うわっ!?........またこいつかよ。 」 現れたのは頭が二つある巨大な犬のような見た身の魔物。 こいつはオルトロスの変異種で普通のオルトロスよりもランクが二つ高いXランクに相当する。 先ほどからこいつを何頭も始末した陽姫は大分飽きていた。 「ギャス!!ギャス!!」 よく分からない鳴き声をあげながら陽姫に向かってくる。 強靭な四肢によって繰り出され突進が狙うは陽姫である。 「お前らはそれだけか。 【エアウォール】。 」 しかし、何も現れない。 オルトロス変異種はますます勢いをつけて陽姫に迫る。 ゴギャン 響いた鈍い音。 オルトロス変異種は見えない壁に激突し頭が粉砕した。 「全く、パワーはあるが頭が足りないな。 」 陽姫は肉塊と化した魔物にそう言い捨て先を急ぐ。
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