第10章

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『うるさい。 文句があるならかかってくるグッブハッ!?』 「やかましいわ。 」 陽姫は暴風が止んだ一瞬の合間にギブラとの距離を詰め、魔力で強化した拳をギブラの顔面に叩き込む。 不意をつかれたギブラはそれをまともに受け、壁に激突する。 『すごいのじゃ......。 』 『誰だッ!!俺の顔を殴ったやつは!!』 しかし、大したダメージにはならなかった。 ギブラは翼を一気に広げて壁を粉砕する。 「.......もうそろそろ晩飯の時間だな。 早く帰りたい。 」 『てめぇかぁぁぁぁぁぁぁぁ!!』 ゴゥッという轟音と共に爆進してくるギブラ。 陽姫はとりあえず霊樹、祠、清善童子に神級の結界を張る。 『くたばれぇぇぇぇぇぇっ!!』 「チッ、【ワープ】。 」 陽姫に振り下ろされた剛腕。 だが、陽姫はギリギリそれを回避しギブラの背後に回る。 ギブラの風を纏った剛腕は標的を見失いそのまま地面を粉砕する。 途端、ギブラを中心に弾けるように風が吹き荒れ、背後をとった陽姫も飛ばされる。 『空中じゃあ身動きとれねぇだろ? 今度こそ当ててやるよ。 死ね。 【エアリアル・バースト】。 』 ギブラの口から放たれた風の魔力の塊は陽姫目掛けて一直線に突き進む。 「その常識は古いぞ。 」 陽姫は空気を固定して足場代わりにして風の塊を避ける。 さらに足場を増やしていき複雑な動きでギブラへと迫る。 『ちょこまかと.........これならどうだ!! 』 ギブラから発せられた無数の衝撃波。 半球状に展開されたそれに死角は無い。 「くっ!!....【エアドーム】。 」 対する陽姫は空気を球状にして自分に向かってくる全ての衝撃波を弾く。 (一つ一つが重い........持久戦はむりそうだな。 ) 衝撃波は止まることは無い。
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