第10章

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『おらおらっ!!どうした!!攻撃はもう終わりか!?』 衝撃波をしつこいほどに飛ばすギブラ。 この時点でギブラが負けそうな空気が漂ってくる。 「そうだな。 俺の辞書に後退の言葉は無い。 奪妃で殲滅する。 」 陽姫はドーム状の防御魔法を解き、ギブラに向かっていく。 ギブラはニヤリと笑みを浮かべ、陽姫に的を絞る。 『ぎゃはははははっ!!数量倍だ!!人間ごときに捌ききれるか? 』 「うん、余裕。 」 数千の半月状の衝撃波が陽姫を襲う。 一般人がいれば間違いなく発狂してしまうだろう。 それほど圧巻であった。 「奪天流抜刀術【翼燕一閃】。 」 しかし、陽姫が放ったのはたった一振り。 大きく湾曲した斬撃はギブラの攻撃をかき消し、そのままギブラへとその距離を縮める。 『なっ........がぁっ!!』 ギブラは咄嗟にかわすものの右腕と翼をもっていかれる。 『くっ........よくも....。 』 傷口からは夥しい量の血が流れる。 「では、これでとどm『待つのじゃ!!』 何故だ?清善童子。 」 『もうよい!!そいつは酷い怪我をしておる.......じゃからもうよいのじゃ!!』 清善童子は涙を必死で堪えながらそう叫んだ。 『私の家族はもう居ない。 両親は私を守るために命をかけて魔物と戦いそして死んだ。 ..............私はッ!!.......たとえ敵であろうとも誰かが傷ついているのを見たく無いのじゃ!!』 『清善童子......。 』 清善童子の強い意志に某然とする陽姫。しかし、それがまずかった。 『ふははっ!!甘いな、小僧。 』 「なっ!?.......しまった!!』 ギブラは怪我を無視して地面を殴りつける。 油断していた陽姫は足元を崩され隙が出来てしまった。 『よしっ!!これで霊樹の実は俺の物だ。 』 陽姫の集中力が一瞬だけほぼ0になってしまう。 そのため陽姫から一番遠い霊樹の結界が不安定になる。 ギブラはこれを狙っていたのだ。
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