第11章

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ベンチで寝ている女性は確かに綺麗であった。 整った顔立ち、艶のある金色の長髪、陽姫はそれらに見覚えがあった。 (なんか.......見たことあるような.....。) 「んっ。 ふわぁ~。 」 その女性は目を覚ました。 開かれた目は吸い込まれそうになるほど美しい碧色をしていた。 「ん~、なんだお前は。 私の顔をジロジロ見るなッ!!」 「うわっ!?危なっ!!」 突如放たれた裏拳をギリギリかわす陽姫。 しかし、拳を追いかけるように衝撃波が陽姫を襲い、数十メートル飛ばされる。 (なんだこの力は。 魔物か? ) 「おおっ!!私の裏拳を避けるのか!? お前、名前は? 」 さっきので完全に意識が覚醒したのか、その女性は陽姫に詰め寄ってくる。 「ハルキ・ウラワだ。 では、これで失礼すr「まぁまぁ、そう言うな。 」ちょっと!?」 その女性は陽姫の腕をがっつりホールドし、ベンチに座らせた。 その力鬼神の如し。 「では、私も名乗ろう。 私はイクハ・フィールリア、この国の第一王女だ!! 」 イクハはどうだと言わんばかりにベンチの上で立ち、手を腰に当てて威張るポーズをとった。 (やっぱりか......なんか嫌な予感がしたのはこれだったのか。 ) 「お前、驚かないな。 もしかして私のことを知っているのか? 」 イクハは陽姫に顔を近づけてそう聞いた。 「近い。 それにハルキ・ウラワと名乗っただろうが。 あと、質問の答えは知らなかった、だ。 」 陽姫はイクハの顔を押し返し、元の位置に戻した。 イクハは顔を押されたのが嫌だったのか少し不機嫌になる。 「そうか。 では、ハルキよ、お前はどうしてここに? 私が五年前に旅に出るときはお前はいなかったはずだ。 」 (ハルキ、騎士団全員集めたぞ。 早く来い。) そのタイミングでヤキから念話が入ってきた。 「とりあえず、それはヤキから聞いてくれ。 ってか来るか? 訓練場に。 」 陽姫の問いにイクハが頷いたので陽姫は二人で転移した。
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