第11章

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訓練場にはすでにすべての騎士団員が整列して待っていた。 「悪い悪い。 ちょっと遅れた。 」 「ハルキ、転移を無詠唱するな。 驚くだろうが。 」 「ハルキ、遅いぞ。 早く始めて...............ってイクハ王女!?どうしてここにおられるのですか!? 」 ヤキはイクハの姿を確認したと同時に小動物のように縮こまってしまう。 「おおっ!!ヤキじゃねぇか。 あれから五年、随分とデカくなるもんだなぁ。 」 「とりあえず、やることやるからヤキは俺の説明よろしくな。 」 陽姫はイクハとヤキを訓練場の端に追いだし、合計四百人の団員を前に話を始めた。 「よう、団員諸君。 お前達も知っている通り嫌々ながらも勇者の肩書きを背負ったハルキ・ウラワだ。 今日集まってもらったのは他でも無い、お前達に強くなってもらうためだ。 明日から俺が指導係だ。 つべこべ言わずに訓練を受けてもらうからそのつもりで。 」 その発言に団員達が騒ぎ始めた。 中には陽姫に罵倒を浴びせる者もいた。 「静かにしろ!! お前達は騎士団員だろうが。 国の一つも守れないでどうする? 自分の命を投げ出せとまでは言わないが、それでもお前達は選ばれた騎士だ。 守るために強くなるのは当然だろうが!!」 陽姫の発言に辺りが静まり返る。 「とにかくだ。 やる気のある奴だけでいい。 明日朝七時にここに集合だ。 」 陽姫は最後にじゃあ終わりだ、と言って団員達を帰した。 「なぁ、殺り合おうぜハルキ。 」 「やかましい、戦闘狂め。 」 陽姫達は団員達がいなくなり閑散とした訓練場に残っていた。 「頼むって!! おい、ヤキ!!お前からも言え。 命令だ。 」 「イクハ王女、もう少し落ち着いたらどうでs「あ? 」ごめんなさい。 何もありません。 」 イクハの話によると、ヤキは昔からイクハにだけは逆らえず、いつもイクハの後ろをついていくほどだったらしい。 「なぁ、いいだろ~。 最近、Zランクの依頼とかなくてさぁ~。 」 「あのさ、喋りかけながら亜音速の蹴りとかやめようか。 」 こんな話をしているが陽姫とイクハは物凄い激戦を繰り広げている最中である。
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