第11章

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───B班──── 「マジかよ.........。 」 A班と同様、難易度変更のお知らせにかなりのショックを受けたアレクはうなだれていた。 「アレク、これくらいでへこたれていては次に何があってもメンタルをぶち壊されるぞ。 」 「そーだよ。 ハルキ君はあんな見た目して結構やる事がエグいからねぇ。 」 と、そんなのんきな話をしている最中、アレクの目つきが変わった。 「避けろ!!」 その叫び声に驚いたが、フォイマとミーチェは指示通り大きく横に跳ぶ。 すると先ほどまで三人がいた地点の大地が大きく抉られた。 それにより土煙が舞い上がり、視界を遮る。 「チッ、【ウインド】。 」 早々に体制を立て直したアレクは風で土煙を払う。 視界が良くなったその先には大きな龍らしき生き物がいた。 「風妃龍かよ........勝ち目なさそうだな。 」 全身に暴風を纏った風妃龍がアレク達に襲いかかった。 「とりあえず三方向から攻撃をしかけるぞ!!」 三人は一斉に飛び出し、十分な距離をとって三方向から攻めよる。 まず、先手を切ったのはアレク。 背後から魔衣を纏い一気に接近する。 闇の魔力を纏わせた大斧を風妃龍の尻尾目掛けて振り下ろす。 しかし、それでも吹き荒れる嵐の鎧を剥がすことは出来ず、アレクは弾き飛ばされる。 「キィーーーーー!!」 突然の衝撃に驚いた風妃龍はその犯人であるアレクに狙いを定め、突撃する。 「くらえ。 死神の決断が死を決める時、断頭台に一つの命が消えていく。 【絶望のギロチン】。 」 「いっくよ~!! 時に風は冷たく、人を傷つける刃となる。 切り刻め!!【スクラップ・ストーム】。 」 風妃龍の二人への意識が削がれたのを狙ってミーチェとフォイマは究極級を放つ。 実は本当はこれが狙いであり、アレクの攻撃はただの囮であった。 空から黒いギロチンが、そして背後から巨大な風の渦が風妃龍を直撃し、辺り一帯を吹き飛ばす。 木々は根こそぎ飛ばされ、大地は大きく抉られた。 「よしっ、お疲れさん。 」 アレクがフォイマ達の所へ戻ってきた。
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